●病態
・小児,特に乳幼児は解剖学的,生理学的に喘鳴をきたしやすい.喘鳴は吸気性喘鳴と呼気性喘鳴に分類される.吸気性喘鳴(stridor)は主に上気道から気管での狭窄で,それより末梢での狭窄では呼気性喘鳴(wheeze)となる.原因疾患として,気管軟化症や気管異物,ウイルスや細菌感染に伴うものから気管支喘息,胃食道逆流症など喘鳴の原因は多岐にわたる.
●治療方針
原疾患の治療が重要であることに間違いはないが,本項では喘鳴を伴うアレルギー性鼻炎,副鼻腔炎について述べる.家族には,まず喘鳴の原因究明や治療が重要であり,アレルギー性鼻炎,副鼻腔炎の治療はその次のステップであることを十分に説明する.原因は気管支喘息である場合とウイルスないしは細菌感染が考えられる.
A.気管支喘息が原因の場合
まずは小児科医に気管支喘息に対する治療を依頼する.通常,小児においてはアトピー性喘息であり,好酸球性副鼻腔炎の合