適応
1心身症(自律神経失調症,本態性高血圧症,消化性潰瘍)における身体症候ならびに抑うつ,不安,焦燥,睡眠障害
2神経症における抑うつ,恐怖
用法
1日30mg 分3(増減) ►1日60mgまで
注意
〈基本〉
①高度の不安症状を伴う場合,効果が発現しにくい→慎重等注意
➋眠気・めまい等→運転不可
③ベンゾジアゼピン系誘導体とは交叉依存性がないため,ベンゾジアゼピン系から直ちに切り替えると,ベンゾジアゼピン系の退薬症候が引き起こされ症状悪化→前薬を中止する際は徐々に減量等注意
④2神経症においては,罹病期間が長い(3年以上)例や重症例あるいは他剤(ベンゾジアゼピン系誘導体)での治療効果が不十分な例等の治療抵抗性に対しては効果が現れにくい→1日60mgで効果が認められない時は,漫然と投与することなく中止
患者背景
〈合併・既往〉
①脳に器質的障害(作用増強)
②中等度又は重篤な呼吸不全(悪化)
③心障害(悪化)
④脱水・栄養不良状態等を伴う身体疲弊(悪性症候群が起こりやすい)
〈腎〉高血中濃度持続 〈肝〉高血中濃度持続
〈妊婦〉有益のみ(動物で胎児に波状肋骨の増加) 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続または中止(動物で移行) 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉低用量(1日15mg)から開始等慎重に→外国で高用量(1日90mg)を用いた体内動態試験で若年者に比べ高い血中濃度を示した例
相互
〈併用注意〉
1)ブチロフェノン系誘導体:錐体外路症状増強(弱い抗ドパミン作用を有する)
2)Ca拮抗薬(ニカルジピン等):降圧作用増強(セロトニン受容体を介した中枢性の血圧降下が降圧作用を増強)
3)セロトニン再取り込み阻害作用を有する(フルボキサミン・パロキセチン・ミルナシプラン・トラゾドン等):セロトニン作用が増強しセロトニン症候群
副作用
〈重大〉
1)肝機能障害,黄疸→中止等処置
2)セロトニン症候群(興奮,ミオクロヌス,発汗,振戦,発