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GL胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021改訂第3版
治療のポイント
・胃食道逆流症の治療のゴールは,①胸やけ・呑酸に代表される諸症状をコントロールし,QOLの低下を防ぐこと,②食道潰瘍・狭窄や食道腺癌などの器質的障害に適切に対応すること,の2つである.
・胃食道逆流症のコントロールは酸分泌の抑制が基本であるが,生活習慣の改善の指導を忘れずに行う.また,再発が非常に多い病態であり,短期的な症状改善や粘膜治癒よりも長期的なコントロールが重要であることに留意する.
・胃食道逆流症に含まれる逆流性食道炎(びらん性GERD)と非びらん性胃食道逆流症(NERD,非びらん性GERD)は大きく異なる病態であり,両者を区別した臨床対応を行うことが必要である.
・逆流性食道炎に付随して生じるバレット食道は,発癌リスクを有している.わが国では大半が発癌リスクの少ないSSBE(short segment Barrett's esophagus)であるが,発癌リスク因子,サーベイランスの必要性,胃酸分泌抑制の発癌抑制効果など,現時点では未解明のことが多い.
◆病態と診断
A病態
・胃食道逆流症(GERD)は「胃内容物の逆流により,臨床症状や合併症が生じる病態の総称」であり,主な原因は胃酸曝露である.
・食道に生じる病態は大きく分けると,①明らかな粘膜所見を呈する逆流性食道炎(びらん性GERD)と,②症状を呈するが粘膜所見を認めない非びらん性胃食道逆流症(NERD:non erosive reflux disease,非びらん性GERD)に分類される.
・逆流性食道炎の増悪因子として,加齢,男性,生活習慣(飲酒,喫煙,高脂肪食,食後すぐの就寝),ピロリ菌未感染,姿勢,体格(肥満,亀背)などが挙げられる.一方,NERDの増悪因子は必ずしも逆流性食道炎と一致しないことが知られており,病態が大きく異な
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