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GL機能性消化管疾患診療ガイドライン2021―機能性ディスペプシア(FD) 改訂第2版
ニュートピックス
・日本消化器病学会の機能性ディスペプシアの改訂ガイドラインが2021年に発刊された.
治療のポイント
・FDは胃の症状により定義される疾患なので,癌や潰瘍などの胃の器質的疾患を疑う場合には胃内視鏡検査などによって除外する.
・ストレスが病態と深く関連しており,また不安の強い患者が多いので,良好な患者-医師関係の構築が重要である.
・FDのガイドラインが改訂され,薬物治療の第1選択薬は酸分泌抑制薬,アコチアミド,六君子湯,第2選択薬は抗うつ・抗不安薬,アコチアミド以外の運動機能改善薬,六君子湯以外の漢方薬となった.
◆病態と診断
A病態
・機能性ディスペプシア(FD)は「症状の原因となる器質的,全身性,代謝性疾患がないのにもかかわらず,慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患」と,主として症状によって定義される疾患である.
・上腹部症状があるにもかかわらず潰瘍や癌などの器質的疾患がないため,FD患者の多くはこれまで慢性胃炎として診断,治療されてきた.しかし,本来の慢性胃炎は胃粘膜の慢性的組織学的炎症であるので,FDと慢性胃炎は明確に区別されるべきである.
・直接的にディスペプシア症状を発現させる因子として胃運動異常と知覚過敏が関連しているとされており,この生理学的変化を,精神的因子,胃酸やピロリ菌,生活様式や食事,遺伝的背景などの多くの因子が修飾していると考えられている.
・最近では,症状発現の鍵となる臓器として十二指腸が注目されている.FD患者では,十二指腸粘膜で好酸球などの増加による微細炎症や粘膜透過性亢進が生じ,これによる十二指腸での易刺激性が胃生理機能の変容を引き起こしているとの仮説が提唱されている.
・FDの患者では,常に症状が発現しているわけ
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