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GL高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版(2018)
ニュートピックス
・新規の選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)であるドチヌラド(ユリス)が登場し尿酸降下薬の選択肢が広がった.
治療のポイント
・痛風合併例や肥満,メタボリック症候群合併例では尿酸塩の抑制を考慮して治療する.
・腎機能低下例では原則としてキサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬を選択する.
◆病態と診断
A病態
・慢性高尿酸血症に関連した腎障害の機序は,痛風患者にみられる尿酸塩の結晶の析出に関連した尿細管間質性腎炎(痛風腎)と,無症候性高尿酸血症に関連した腎障害に大別される.
・無症候性高尿酸血症では,高血圧などの併存症や尿酸自体による輸入細動脈症や尿細管障害が腎障害の進展に関連している可能性が示唆されている.
B診断
・高尿酸血症を伴った腎機能低下例で痛風発作の既往,高尿酸血症の罹病期間(一般的には5~10年以上)から痛風腎が潜在する可能性を考慮し,腎エコーで髄質の高輝度エコーを認めれば臨床的に痛風腎と診断する.
・無症候性高尿酸血症に関連した腎障害を特異的に診断することは困難であるが,本態性高血圧患者で血清尿酸値と腎血管抵抗に関連があることや腎機能低下との関連がみられることから,高血圧症例に合併した高尿酸血症を伴う腎障害例では尿酸が腎障害進展に寄与している可能性を考慮する.
◆治療方針
肥満,メタボリック症候群合併例ではプリン体摂取過剰や尿酸排泄低下が相まって高尿酸血症を合併しやすいことに加えて酸性尿を呈しやすく,痛風腎や尿路結石(最も多いシュウ酸Ca結石も尿中の尿酸塩が結晶化促進に関連する)のリスクが高い.したがって食事療法と薬物療法により血清尿酸値6mg/dL未満にコントロールすることが重要である.すでに腎障害を合併した例では原則としてキサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬を用いるほか,高血圧症が併存することも多
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