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GL多発性筋炎・皮膚筋炎診療ガイドライン(2020年暫定版)
ニュートピックス
・進行性線維化を伴う間質性肺疾患に対する抗線維化薬が承認され,本疾患における肺の線維化抑制作用が期待されている.
・自己抗体:抗MDA5抗体,抗TIF-1γ抗体,抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体(抗Jo-1抗体,抗PL-7抗体,抗PL-12抗体,抗EJ抗体,抗KS抗体),抗Mi-2抗体が測定可能となっており,保有する自己抗体により病像が異なる.
・病像に応じた適切な治療が可能となってきている.
・筋炎を伴わず特徴的皮膚症状のみ有する無筋症性皮膚筋炎の診断が可能となってきている.
治療のポイント
・本疾患を疑う際には悪性腫瘍の検索が必須であり,特に皮膚筋炎では20~30%で悪性腫瘍を合併する.
・間質性肺疾患は生命予後に直結する合併症であり,特に抗MDA5抗体陽性の場合には急速進行性である可能性が高いため,発症当初より積極的な免疫抑制療法を行う.
・専門医での診断と治療を基本とする.
・不十分な免疫抑制により寛解導入できていない場合には,すみやかに治療内容を再考し,状態に応じてより強力な免疫抑制療法を行う.
◆病態と診断
A病態
・特発性炎症性筋疾患に含まれる疾患であり,ほかに封入体筋炎,悪性腫瘍に伴う筋炎,免疫介在性壊死性筋炎が含まれる.自己免疫病態により,骨格筋,心筋,咽頭筋をおかすと同時に皮膚,間質性肺疾患など筋肉以外の組織病変を伴うことがある.間質性肺疾患が筋炎に先行して出現する場合には,特発性間質性肺炎と診断されていることが多い.
・保有する自己抗体により以下のように病像が異なる.
・抗MDA5抗体陽性:筋逸脱酵素などの臨床検査では筋炎を示唆するが筋症状を欠く臨床的無筋症性皮膚筋炎を呈し,急速進行性間質性肺疾患により予後不良であることが多い.
・抗ARS抗体陽性:間質性肺疾患はほぼ必発でありス
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