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GL頭痛の診療ガイドライン2021
ニュートピックス
・カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)あるいはCGRP受容体に対するモノクローナル抗体(CGRP関連抗体薬)が片頭痛予防薬として,選択的5-HT1F 受容体作動薬であるラスミジタンが急性期治療薬として承認された.
治療のポイント
・治療の目的は生活支障度を低減させることである.
・頭痛発作をすみやかに消失させる急性期治療と,発作頻度を低下させる予防療法に大別される.
・急性期治療薬の過剰使用によって「薬剤の使用過多による頭痛〔薬物乱用頭痛(MOH)〕」が引き起こされる可能性がある.
◆病態と診断
A病態
・頭痛発作に予兆や前兆が先行することがある.予兆と前兆は中枢神経系の機能異常が原因である.
・CGRP(calcitonin gene-related peptide)が三叉神経系の感作を誘導する.セロトニン受容体5-HT1D と5-HT1F はCGRP放出の調節に関与している.
B診断
・診断は国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の診断基準に従う.くも膜下出血をはじめとした器質的疾患との鑑別が重要である.
◆治療方針
日本神経学会などが監修の「頭痛の診療ガイドライン2021」に従って治療する.
A急性期治療
薬物療法が中心となる.軽度~中等度の頭痛にはNSAIDsを使用し,中等度~重度の頭痛,または軽度~中等度の頭痛でも過去にNSAIDsの効果がなかった場合はトリプタンを選択するのが原則である.ラスミジタンはトリプタンと異なり5-HT1B を介した血管収縮作用がない.
1.軽度~中等度の頭痛
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
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