頻度 あまりみない
GL天疱瘡診療ガイドライン(2010)
GL類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)診療ガイドライン(2017)
ニュートピックス
・天疱瘡に対してリツキサンの適応が拡大された.2022年4月20日付で入院診療のDPCにおいて出来高算定が可能となった.
・DPP-4阻害薬の内服中に水疱性類天疱瘡の発症リスクが上がる.粘膜類天疱瘡も生じうる5).血液検査で診断できないことも多い.
・免疫チェックポイント阻害薬の治療中の0.4~1%が類天疱瘡を発症する.治療の中止も念頭におく.
治療のポイント
・天疱瘡と類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)は厚労省指定難病である.
・皮膚生検は,指定難病の認定,受給に必須となる.
・天疱瘡に対するリツキサンを除き,ステロイド,ジアフェニルスルホン,グロブリン製剤以外の治療薬は保険適用外であることに留意する.
・粘膜病変による摂食障害,喉頭病変を伴う場合,専門施設での入院診療が望ましい.
Ⅰ.天疱瘡
◆病態と診断
・自己抗体の出現により,破れやすい水疱やびらんを皮膚や粘膜に生じる,まれな自己免疫疾患である.
・皮膚生検が診断に必須となる.血中に抗デスモグレイン1または3抗体を検出できる.
◆治療方針
専門医による診療が望ましい.プレドニゾロンの内服(0.5~1mg/kg/日)が原則で,免疫抑制薬をしばしば併用する.類天疱瘡の中等症~重症例に準じる.
Px処方例 1)に適宜2)を併用する.
Ⅱ.類天疱瘡
◆病態と診断
・抗表皮基底膜部抗体が生じて表皮-真皮結合が障害され,緊満性の表皮下水疱を生じる疾患群を指す.
・水疱性類天疱瘡が最も多い.年齢の中央値が80歳前後で,しばしば紅斑と強い瘙痒を伴う.
・皮膚生検が診断に必須と
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