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GL膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン2014年度版
ニュートピックス
・乾癬(尋常性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症)に対する新たな生物学的製剤として,IL-17AおよびIL-17Fを選択的に阻害するビメキズマブの製造販売が2022年に承認された.
・乾癬性関節炎に対する経口JAK阻害薬として,ウパダシチニブが2021年に適応追加承認された.
・小児乾癬に対しセクキヌマブが2021年に適応追加承認された.
治療のポイント
・再発を繰り返す慢性疾患であるが,治療の進歩により十分コントロール可能な疾患である.
・皮膚だけではなく,関節炎や生活習慣病など,多臓器の炎症性疾患であるため,複数科で総合的に診療を行う.
・上記を患者に十分説明し,治療意欲を高める.
◆病態と診断
A病態
・遺伝的素因・環境的要因によって,サイトカイン〔特に腫瘍壊死因子α(TNF-α:tumor necrosis factor-α),IL-23,IL-17A〕が皮膚で過剰産生されることで皮膚病変が形成される.
・しばしば関節付着部においても同様のサイトカインが過剰産生され,付着部炎,関節炎が誘導される.
B診断
・典型例では臨床像から診断可能であるが,確定診断には組織学的検査を施行することが望ましい.
・臨床像は,正常部と病変部の境界が明瞭な,表面に鱗屑を付着したやや隆起した紅斑が特徴である.
・頭部,四肢伸側が好発部位であるが,全身あらゆる部位に発症しうる.
・成人以降に発症することが多いが,小児においてもまれではあるが発症する.慢性の経過をたどる.
・爪の点状陥凹,爪甲剥離などの爪変形を伴うことがある.
・乾癬の病型として,局面状の紅斑を呈する尋常性乾癬が最も頻度が高いが,爪甲大ほどの比較的小型の紅斑を多発する滴状乾癬,熱発を伴い数mm大の膿疱が紅斑に多発する膿疱性乾癬がある.重症化し,これらの乾癬皮疹が全身くまなく広がっ
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