頻度 あまりみない
GLベーチェット病の皮膚粘膜病変診療ガイドライン(2018)
◆病態と診断
A病態
・ベーチェット病は皮膚・粘膜をはじめ,ぶどう膜や腸管,神経などさまざまな臓器に急性炎症発作を繰り返し生じる疾患である.
・HLA-B51と相関しており,遺伝的素因と環境要因による多因子疾患である.
・活動期には好中球の過剰な活性化が病変形成に関与している.
B診断
・ベーチェット病の診断にはHLA-B51陽性が参考になるが,特異的な検査はないため,臨床症状の組み合わせで判断する.
・診断基準での主症状は,口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍,副症状は変形のない関節炎,副睾丸炎,回盲部潰瘍などの腸管病変,血管病変,神経症状,である.
・皮膚症状は毛嚢炎様・痤瘡様皮疹,皮下の血栓性静脈炎,下腿の結節性紅斑などである.血栓性静脈炎と結節性紅斑の区別が難しい場合には生検が必要である.
◆治療方針
皮膚症状に対して副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬などの投与を行うことは少ないが,高度・難治な場合にはこれらの薬剤や,コルヒチンが用いられる.
A皮膚症状に対する標準的治療
外用療法や消炎・鎮痛薬内服が一般的である.
1.口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
2.痤瘡様・毛嚢炎様皮疹
ステロイド外用薬や抗菌薬内服が有効である.
Px処方例 下記のいずれか,または併用する.
3.結節性紅斑
安静と下肢挙上が原則である.
Px処方例 下記を併用する.
ロキソプロフェン(ロキソニン薬)
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