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ニュートピックス
・世界的パンデミックとなった新型コロナウイルス感染症は,小児ではかぜ症候群を呈する軽症例も多い.ウイルス変異も影響するが,今後の病像の推移を注視する必要がある.
治療のポイント
・身体と心の安楽を保ち回復力を高めることが治療の原則である.
・解熱薬,抗ヒスタミン薬,鎮咳薬,去痰薬などの対症療法は,必要最小限の使用でよい.
・抗菌薬は不要であり,中耳炎や副鼻腔炎など細菌の2次感染を合併した場合に使用する.
・百日咳,A群溶連菌や肺炎マイコプラズマ感染症はかぜ症候群類似の症状を呈する場合もあるが,抗菌薬が有効である.
・小児への投与が不適切な薬剤は使用しない.
◆病態と診断
A病態
・鼻汁,咳,咽頭痛などの呼吸器症状,時に発熱や倦怠感など全身症状も呈する疾患の総称であり,多くは急性ウイルス感染症である.
・夏季に流行するものを「夏かぜ」と呼称するが,アデノウイルスやエンテロウイルスは呼吸器症状を呈さないことも多い.
・時に「おなかのかぜ」という呼称も用いられ,嘔吐,下痢,腹痛などを呈するウイルス性胃腸炎を指す.
・下記の病原体があり,かぜ症候群にとどまらず( )に示す特徴的な病態を引き起こすことがある.ライノウイルス,RSウイルス(細気管支炎),インフルエンザウイルス(肺炎,仮性クループ,脳症),パラインフルエンザウイルス(仮性クループ),アデノウイルス(咽頭結膜熱,肺炎,流行性角結膜炎,出血性膀胱炎),コロナウイルス,エンテロウイルス(ヘルパンギーナ,手足口病,無菌性髄膜炎,気管支喘息様症状,ポリオ様麻痺),ヒトメタニューモウイルス(細気管支炎,肺炎),ボカウイルスなど.
・乳幼児は平均して年に6~8回,10~15%の小児は年に10回以上,かぜ症候群に罹患するといわれ,年長になるにつれて頻度は低下する.
B診断
・病歴,症状,身体所見,周囲の流行など疫学情報により診断する.
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