頻度 あまりみない
GL脳腫瘍診療ガイドライン 小児脳腫瘍編 2022年版
ニュートピックス
・国際的な標準診断基準であるWHO分類(WHO Classification of Tumours,5th ed,Central Nervous System Tumours)が2021年に改訂された.分子診断が形態診断に統合され,診断書は,統合診断名,悪性度グレード,分子生物学的情報をすべて記載する重層構造の報告書とすることが推奨されている.
治療のポイント
・小児脳腫瘍の生命および神経学的予後に初回手術の成否が大きく影響するため,緊急手術は明確な目標をもって行われるべきである.
・組織型によって大きく異なる小児脳腫瘍の治療にとって,正確な病理診断はきわめて重要であり,中央病理診断や分子診断を活用する.
・小児脳腫瘍の手術,化学療法,放射線療法,支持療法の経験が豊富な多職種チームが整っている,小児癌拠点・連携病院などへのタイムリーな患者紹介が必要である.
◆病態と診断
A病態
・小児癌のなかで白血病に次いで多く,小児癌死亡の主要な原因である.
・日本の小児人口10万人あたりの年間発症数は約2人である.
・長期生存できた患者においても,腫瘍や治療に伴う発達途中の脳,感覚器,内分泌組織などの晩期障害が,非常に大きな問題となることが多い.
・一部の脳腫瘍は神経線維腫症などの遺伝的背景から発生するが,多くは原因不明である.
B診断
・頭痛・嘔吐・麻痺・けいれん・視機能異常・内分泌異常などの症状により,脳・脊髄神経腫瘍を疑う場合,神経画像検索を行う.
・症状に緊急性がある場合はCTを撮影するが,単純CTでは脳幹部,小脳,鞍上部の腫瘍,そして白質の浸潤性腫瘍が見逃されやすい.
・脳腫瘍を疑う異常像を認めた場合,または引き続き脳・脊髄腫瘍の存在が否定できない場合には,脳と全脊髄の単純およびガドリニウム造影MRI撮影を行う.
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