作成グループ名
日本消化器病学会「機能性消化管疾患診療ガイドライン―過敏性腸症候群(IBS)委員会」(委員長:福土審).
作成時期
初版は2014年4月20日に,第2版は2020年6月1日に書籍として刊行(南江堂),日本消化器病学会ホームページより閲覧可能(2020年7月15日公開).
改訂予定の有無
現在のところ,改訂の予定はない.
準拠したエビデンスの分類,勧告・推奨の分類など
日本消化器病学会はこれまでに10疾患のガイドラインを刊行しており,2014年に機能性消化管疾患ガイドラインの1つとして過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)が作成された.IBSの研究は国際的に長足の進歩を遂げており,新薬の開発も盛んである.また機能性消化管疾患は国際委員会が定義したRome IV基準1)で診断することが標準的とされており,このため同一基準での研究が世界各国で可能となった.本ガイドラインは,福土審作成委員長を含む12名の作成委員,4名の評価委員により改訂第2版として作成された.
A.文献検索法
診療を左右する重要な疑問を疫学,病態,診断,治療,予後,合併症から,実地臨床に即した41個にまとめた.これを臨床疑問(CQ),背景疑問(BQ),未来研究疑問(FRQ)に分類した.CQとFRQについて1983年から2019年3月までの4,138文献(英文1,918文献,和文2,220文献)を抽出した.BQは3,031文献以上をまとめた.推奨,根拠水準,回答の決定に関する434文献のエビデンスレベルを判定した.その過程で漏れた重要な16文献はハンドサーチで追加した.また,ガイドライン刊行が2020年になることが明らかであったため,2019年以降の文献でCQに重大な影響を及ぼすものも検索期間外文献として追加した.
B.エビデンスレベル
各文献論文に対して,研究デザインを含
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