今日の診療
治療指針

15.高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版(2018)



作成グループ名

 日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会(作成委員長:久留一郎).

作成時期

 本ガイドラインは,2018年12月28日書籍として発刊された(診断と治療社)1).また,2022年3月7日に「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]」2)が発刊された.

改訂予定の有無

 高尿酸血症・痛風に関しての介入試験は比較的数が少ないために5~7年ごとに改訂することを予定している.ガイドライン改訂のタイミングは,エビデンスの変化以外に重要なアウトカムの変化・可能な介入の変化・ヘルスケアに対する利用可能な資源の変化などがあった場合に行う.


準拠したエビデンスの分類,勧告・推奨の分類など

 「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」の作成は,「Minds診療ガイドライン作成マニュアル(Ver.2.0)」を参考とした.7つの重要な臨床課題に関して対象患者・介入・比較対照および益と害のアウトカムからなるクリニカルクエスチョン(CQ)を作成した.システマテイックレビュー(SR)を行うため,2017年3月31日までのエビデンスをもとに日本医学図書館協会の協力で網羅的に文献検索を行った.各CQの益と害のアウトカムごとに,エビデンス総体の評価を行った.エビデンスの強さの評価はGRADE working groupの提唱する方法に従い,最終的にhigh(高),moderate(中),low(低),very low(非常に低い)の4段階にグレーディングした.推奨の強さは「エビデンスの強さ」に加えて「益と害のバランスの確実性」「患者の価値観と希望・負担の確実さ」「コストや資源」の4つの要因から総合的に決定した(図1).


治療に関する部分の解説


A.高尿酸血症の病型分類

 高尿酸血症とは,血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を示す疾患である.高尿酸血症の病型分類として,これまで腎

関連リンク

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