診療支援
治療

突然の呼吸困難―緊急検査と応急処置
dyspnea of sudden onset and emergency care
志馬伸朗
(広島大学大学院教授・救急集中治療医学)

治療のポイント

・呼吸困難は,息が苦しい,息が詰まる,などの呼吸時の不快な自覚症状である.

・救急外来患者の主訴の3.5%を占める.

・換気の需給バランスが崩れた際に生じる.

・ガス交換異常(高炭酸ガス血症>低酸素血症),呼吸筋仕事量,精神状態が関与する.

・突然発症の急性呼吸困難は,重症度や緊急度が高いものが多い.

・生命維持にかかわる生理学的異常があればまず対症的に介入し,そののちに原因となる病態を同定した特異的介入を行う.

◆病態と診断

AABCDEアプローチによる分類・評価

・A(気道)の問題:上気道閉塞(急性喉頭蓋炎,異物,アナフィラキシーによる気道浮腫など).特にAの異常に伴う呼吸困難は,緊急度も重症度も高い

・B(呼吸)の問題:気胸,肺炎,気管支喘息,COPD急性増悪,間質性肺炎急性増悪など.

・C(循環)の問題:心原性肺水腫,急性冠症候群,肺血栓塞栓症など.

・その他の身体的問題:代謝性アシドー

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