特 徴
慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)治療薬.
ITPは,血小板膜糖蛋白に対する自己抗体が発現し,血小板や巨核球に結合する結果,主として脾臓の網内系細胞における血小板の破壊が亢進して血小板減少をきたす後天性自己免疫性疾患である.臨床症状として,主に皮下出血(点状出血または紫斑)を認め,歯肉出血,鼻出血,下血,頭蓋内出血などを引き起こすことがあり,日本の患者数は,約1万9,000人(2020年度)と推定されている.
ITPにおける抗体産生機序は未解明であるが,病態の維持機構として,網内系マクロファージが抗血小板自己抗体によりオプソニン化された血小板を大量に貪食するために自己反応性T細胞が活性化され,B細胞からの抗血小板自己抗体産生を刺激し,マクロファージ,T細胞およびB細胞による病的ループが成立して,抗血小板自己抗体の過剰な産生が維持されると考えられている.本剤は,生体内で活性本体R