頻度 ときどきみる
治療のポイント
・自殺企図だけではなく,火災や換気不良などにより意図せず曝露することがある.
・患者と同じ環境にいる人は,無症状であってもCO中毒である可能性を念頭におく.
・急性期回復後は,遅発性脳症の早期発見のため定期的な診察が望ましい.
◆病態と診断
A病態
・一酸化炭素(CO)とヘモグロビン(Hb)は酸素とHbより強い親和性で結合し,カルボキシヘモグロビン(CO-Hb)を形成することで,Hbの酸素運搬能を低下させ,組織の低酸素症をきたす.
・COはミオグロビン(Mb)にも強い親和性で結合し,心筋障害の発生に関与するとされる.
・COはミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼにも結合し,酸化的リン酸化に障害をきたす.
B診断
・火災,物質の不完全燃焼,密閉空間における炭火使用などのCO曝露歴,血中CO-Hb濃度,高乳酸血症などがある場合はCO中毒を疑う.
・血中CO-Hb濃度と症状の重症