診療支援
治療

レジオネラ症(在郷軍人病) [■4類感染症]
legionellosis(Legionnaires' disease)
石田 直
(倉敷中央病院副院長・呼吸器内科(岡山))

頻度 あまりみない

治療のポイント

・重症肺炎では,本症の可能性を検討する.

・β-ラクタム系抗菌薬が無効で,マクロライド系,ニューキノロン系の抗菌薬が有効である.

・ICU管理が必要となる場合も多い.

◆病態と診断

A病態

・レジオネラ属菌は,グラム陰性桿菌で土壌などの自然環境に存在するが,冷却塔,給湯系,渦流浴などの人工環境にアメーバを宿主として増殖している.本菌に汚染されたエアロゾルを吸入することにより発症する.

・劇症型の肺炎と,一過性の感冒様症状を呈するポンティアック熱の2病型がある.

・肺炎は,2~10日間の潜伏期間ののち,発熱,悪寒,筋肉痛,胸痛,呼吸困難などの症状で発症する.

・肝腎機能の低下や下痢,嘔気,腹痛などの消化器症状,神経・精神症状などの肺外症状が認められることも多い.

B診断

・レジオネラ肺炎を疑うポイントは,温泉旅行歴や循環式風呂の使用歴があること,進行の速い肺炎,肝機能・腎機能の低

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