GL2020年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン
GL2020年JCSガイドライン フォーカスアップデート版冠動脈疾患患者における抗血栓療法
GL脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]
GL2020年改訂版弁膜症治療のガイドライン
GL2017年改訂版肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン
治療のポイント
・抗血栓療法は,抗凝固療法と抗血小板療法に大別され,凝固血栓が主体の血栓症(心房細動や静脈血栓塞栓症)には抗凝固薬を,血小板血栓が主体の血栓症(冠動脈疾患や虚血性脳血管障害)には抗血小板薬を用いる.
・抗凝固薬にはワルファリンと直接型経口抗凝固薬(DOAC)があり,抗血小板薬にはアスピリンとP2Y12 受容体拮抗薬などがある.
・抗凝固薬も抗血小板薬も出血の副作用を伴うため,血栓イベント抑制効果と出血リスクの両方を天秤にかけて,適否を判断する必要がある.
◆病態と診断
A病態
・冠動脈疾患は,動脈硬化や血栓によって冠動脈に狭窄や閉塞をきたし,心筋への血液供給が不足ないし途絶することで,胸痛を生じたり,心臓のポンプ機能の障害を起こす疾患である.
・虚血性脳血管障害〔脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA:transient ischemic attack)〕は,動脈硬化や血栓によって脳動脈に狭窄や閉塞をきたし,脳への血液供給が不足ないし途絶することで,麻痺や失語を生じたり,脳機能の障害を起こす疾患である.
・心房細動は,心房が小刻みに動き,心室が不規則に収縮することで脈の乱れを起こし,動悸や胸部不快感を生じたり,心房内の血液うっ滞によって形成された血栓に由来する脳梗塞(心原性脳梗塞)のリスクを有する疾患である.
・静脈血栓塞栓症は,下肢の静脈内に血栓を生じ(下肢静脈血栓症),これが遊離して血流に乗って肺動脈を閉塞する(肺血栓塞栓症)疾患である.
B診断
・冠動脈疾患は,胸痛
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