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治療のポイント
・器質的心疾患の鑑別が必須である.特に胸痛患者では,表在冠動脈に狭窄がない場合でも冠攣縮や冠微小循環障害による非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)の鑑別を行う.
・心因的背景をもつ本症の治療継続には,患者と医療スタッフとの信頼関係が重要である.
・患者の症状に応じて,抗不安薬,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を用いるが,心療内科,精神科へのコンサルトも考慮する.
◆病態と診断
A病態
・心臓神経症は,冠動脈疾患,弁膜症,心筋症,心膜疾患などの器質的心疾患がないにもかかわらず,心臓由来を疑わせる胸部症状を繰り返す疾患である.このため鑑別診断には,詳細な問診,身体診察,心電図,心エコー図が必須である.
・本症は,DSM-5診断基準の「パニック障害」,「身体症状症」,「うつ病」などの症状に合致する.DSM-5では,器質的身体疾患が存在していても症状が身体疾患の重症度に見合
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