頻度 ときどきみる
治療のポイント
・ナトリウム(Na)代謝異常は血漿浸透圧の異常により主として神経学的異常を呈するが,治療を急ぐべきかどうかは症状の有無によって判断する.
・補正が速すぎると脳浮腫や浸透圧性脱髄症候群を誘発するリスクが高まるため,補正速度に注意が必要である.
・原因の診断や補正方針には細胞外液量の情報が有用であり,患者の細胞外液量の状態を把握する必要がある.
Ⅰ.高Na血症
◆病態と診断
A病態
・高Na血症は血清Na濃度≧145mEq/Lと定義され,血漿浸透圧の上昇により神経学的所見を中心にさまざまな症状をきたす異常である.
・Naイオン(溶質)の量に対する自由水(溶媒)の量が相対的に少ない状態であり,自由水の喪失(腎性・腎外性)やNaイオンの過剰負荷(Naイオンの過剰投与による医原性,海水溺水など)がありうる.
・ただし,口渇中枢に異常がなく自由に飲水をできる条件では通常,高Na血症は維
関連リンク
- 今日の治療指針2024年版/尿崩症
- 治療薬マニュアル2024/ブドウ糖《ブドウ糖 ブドウ糖》
- 治療薬マニュアル2024/生理食塩液《生理食塩液》
- 治療薬マニュアル2024/フロセミド《ラシックス》
- 今日の治療指針2024年版/代謝性アルカローシス
- 今日の治療指針2024年版/抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
- 臨床検査データブック 2023-2024/塩素〔Cl〕《クロール》 [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/ナトリウム〔Na〕 [パニ][保] 11点(包)
- 今日の救急治療指針 第2版/電解質異常
- 新臨床内科学 第10版/9 ADH不適合分泌症候群
- 新臨床内科学 第10版/1 低ナトリウム血症