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GL造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版
ニュートピックス
・びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の初回治療として,ポラツズマブベドチン併用化学療法(Pola-R-CHP療法)が選択肢に加わった.
・CAR-T細胞療法は当初DLBCLの3次治療として承認されたが,DLBCLの2次治療に対象が拡がった.
治療のポイント
・非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療方針決定には正確な病理組織診断と画像検査が重要である.病理診断にはWHO分類第4版改訂(2017年)または第5版(2023年刊行予定)を用いる.
・NHLは病型ごとに適切な治療方針が異なる.このため日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン」などの病型ごとの治療方針を参考にして治療を行う.
◆病態と診断
A病態
・リンパ腫は,リンパ球が腫瘍化して起こる悪性腫瘍で,リンパ節,それ以外の臓器,またはその両者に病変が及ぶ.骨髄・血液にも病変が及ぶことがある.
・リンパ腫のうち,ホジキンリンパ腫以外の病型をまとめて非ホジキンリンパ腫(NHL)とよんでいるが,B細胞またはT/NK細胞由来の多様な病型の集合体である.
・B細胞由来の代表的病型には,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma),濾胞性リンパ腫(FL:follicular lymphoma),節外性辺縁帯リンパ腫・粘膜関連リンパ組織型(いわゆるMALTリンパ腫)などがあり,T/NK細胞由来の代表的病型には,末梢性T細胞リンパ腫・非特定型,血管免疫芽球性T細胞リンパ腫,未分化大細胞リンパ腫などがある.
・治療前の一般的な進行速度から,緩徐進行性(indolent),急速進行性(aggressive),超急速進行性(very aggressive)に分類される.DLBCLは急速進行性リンパ腫,FLやMALTリンパ腫は