診療支援
治療

多発性骨髄腫
multiple myeloma(MM)
飯田真介
(名古屋市立大学大学院教授・血液・腫瘍内科学)

Ⅰ.多発性骨髄腫

頻度 あまりみない

GL造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版

ニュートピックス

・B細胞成熟抗原(BCMA:B-cell maturation antigen)を標的としたキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法であるイデカブタゲンビクルユーセルとシルタカブタゲンオートルユーセルが2022年に承認された.

治療のポイント

・未治療移植適応患者には,寛解導入療法に続いて自家造血幹細胞移植(ASCT:autologous stem cell transplantation)を併用した大量メルファラン療法を実施することが推奨される.

・未治療移植非適応患者には,抗CD38抗体薬であるダラツムマブとプロテアソーム阻害薬または免疫調節薬を含む併用化学療法が推奨される.

◆病態と診断

A病態

・多発性骨髄腫(MM)は形質細胞腫瘍であり,単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)血症または蛋白尿(ベンス・ジョ

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