頻度 あまりみない
治療のポイント
・好中球減少・顆粒球減少の原因(血液疾患,化学療法,薬剤性,自己免疫疾患,感染症など)の精査が必要.
・薬剤性の可能性がある場合,処方歴の詳細を確認し被疑薬の中止を検討する.
・状況に応じて顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤の投与を検討する.
・発熱性好中球減少症を発症している場合,内科的緊急対応を要する.
・躊躇せず血液内科専門医へコンサルトする.
◆病態と診断
A病態
・末梢血で好中球<1,500/μLの状態を好中球減少症(顆粒球減少症)とよぶ.
・特に好中球<500/μLは重症(無顆粒球症)であり,極度の易感染状態により日和見感染に注意が必要で,感染合併は致死的になりうる.
・先天性好中球減少症はまれであり,多くは後天的な好中球減少症である.
・さまざまな要因で引き起こされ,代表的なものとしては薬剤性(抗菌薬,抗甲状腺薬,免疫抑制薬など),化学療法(抗癌剤による副作用),自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスなど),血液疾患(白血病,骨髄異形成症候群,再生不良性貧血など),感染症(HIVや肝炎ウイルスなど),ビタミン不足(ビタミンB12 など)も原因となる.
・薬剤性は用量に準じた細胞毒性のほか,免疫メカニズムも提唱されている.
・原因に応じて治療が異なるため,原因検索が重要である.
B診断
・採血をしなければ診断できないため,定期的な採血で偶発的にみつかる以外は,発熱などの有症状で受診し採血した際にみつかることも多い.白血球分画をみることが重要.
・薬剤や感染症などの続発性を疑うためには,詳細な病歴や処方歴聴取が重要である.
・場合によっては骨髄検査で白血病など血液悪性腫瘍を否定する必要がある.
◆治療方針
A病歴,処方歴,骨髄検査などにより血液疾患が否定的な場合
1.薬剤性が疑わしい場合
薬剤性の好中球減少をきたすものとしてチアマゾール,プロピルチオウラシル,サラゾ