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GL原発性アルドステロン症診療ガイドライン2021
ニュートピックス
・アルドステロンの測定法として,従来のRIA法に代わってCLEIA法が広く用いられるようになり,アルドステロン/レニン比を用いたスクリーニングのカットオフ値の解釈がやや複雑化している.
・原発性アルドステロン症の副腎腺腫に対する新たな外科的治療の選択肢として,ラジオ波焼灼療法が2021年6月1日に保険収載された.
治療のポイント
・病型が片側性か両側性かによって治療方針が異なるため,病型の予測・診断が重要である.
・両側性の原発性アルドステロン症(PA)に対しては,ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬を中心とした薬物治療を行う.
・片側性のPAに対しては,外科的治療により根治が期待できるが,高血圧の根治とイコールではない点には注意を要する.
◆病態と診断
A病態
・副腎からのアルドステロン過剰分泌により高血圧をきたす疾患で,本態性高血圧と比べても心血管予後が不良であるため,早期の診断・治療が求められる.
・片側副腎(腺腫)からアルドステロンが過剰産生される病型と両側副腎(過形成)からアルドステロンが過剰産生される病型があり,前者は重症度が高い傾向があり,低K血症を呈する頻度も高い.
B診断
・スクリーニング検査としては,高血圧症の患者を対象としたレニンおよびアルドステロン値の測定が有用である.
・確定診断には,カプトプリル試験や生食負荷試験などが用いられる.
・副腎腺腫の検出には,CT検査が有用だが,病型予測としての正診率は高くなく,病型の確定には副腎静脈サンプリング検査が必要である.
◆治療方針
両側性PAおよび外科的治療を希望しない(あるいは何らかの理由で外科的治療が不可能な)片側性PAに対しては,MR拮抗薬を投与する.現在,国内で使用が承認されているMR拮抗薬には,スピロノラクトン,エプレレノン,エサキセレノン,