頻度 ときどきみる(人種によらず10万人対5~10人)
GL21-水酸化酵素欠損症の診断・治療のガイドライン(2021年改訂版)
治療のポイント
・「21-水酸化酵素欠損症の診断・治療のガイドライン(2021年改訂版)」に則り,不足する副腎皮質ステロイドホルモンを補充する.
◆病態と診断
A病態
・先天性副腎過形成は,副腎皮質でのコルチゾール合成過程のいずれかの段階が障害されている.
・先天性副腎過形成には以下の6種類の疾患が含まれる.①21-水酸化酵素欠損症,②先天性リポイド副腎過形成症,③P450オキシドリダクターゼ欠損症,④17α-水酸化酵素欠損症,⑤3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症,⑥11β-水酸化酵素欠損症,である.
・このうち,最も頻度の高い21-水酸化酵素欠損症をここでは取りあげる.
・21-水酸化酵素欠損症は先天性副腎過形成症の90%を占める.
B診断
・新生児マススクリーニングによる濾紙血17α-ヒドロキシプロゲステロン高値,新生児女児における皮膚色素沈着を伴う外陰部男性化,成人女性の多毛あるいは不妊・流産から21-水酸化酵素欠損症を疑う.
・血中17α-ヒドロキシプロゲステロン高値により臨床診断する.
◆治療方針
ヒドロコルチゾンとフルドロコルチゾンの併用継続を原則とする.
A小児期の内科的治療
1.新生児期の治療
Px処方例 下記を併用する.
ヒドロコルチゾン(コートリル薬)錠 1日25~100mg/m2 を3回に分服
フルドロコルチゾン(フロリネフ薬)錠 1日0.025~0.2mgを2回に分服
塩化ナトリウム薬末 1日0.1~0.2g/kgを3~8回に分服
2.乳児期から小児期・思春期の治療
Px処方例 下記を併用する.