頻度 あまりみない
GL全身性強皮症 診断基準・重症度分類・診療ガイドライン(2016)
ニュートピックス
・全身性硬化症,特に皮膚硬化に対する有効性の報告を得て,2021年9月にリツキシマブが適応を取得し治療選択が拡大した.
治療のポイント
・全身性硬化症は血管内皮障害や慢性の線維化が主たる病態であり,グルココルチコイドを含む免疫抑制療法導入の適否は,治療対象となる病変の重症度や予後と患者背景を総合的に勘案して決定する.
・レイノー現象や四肢関節痛,胸焼けなどの自覚症状に対して対症療法を要することが多い.
◆病態と診断
A病態
・全身性硬化症(SSc)は,自己免疫異常を基盤に生じた血管内皮障害・慢性炎症が皮膚・臓器における線維芽細胞の活性化を惹起し,皮膚硬化や各種臓器の不可逆的な機能障害を生じる難治性疾患である.
B診断
・疑うきっかけは手指の冷感・腫脹とレイノー症状であるが,こわばりや関節痛が前面に立つ場合は関節リウマチなどとの鑑別に注意する.
・診断は厚生労働省難治性疾患政策研究班による全身性強皮症の診断基準(2016)に準拠し,指定難病の認定もこれに基づく.
・病型は皮膚硬化の範囲により,肘より遠位に留まる限局皮膚硬化型(lcSSc:limited cutaneous SSc)と近位に及ぶびまん皮膚硬化型(dcSSc:diffuse cutaneous SSc)に大別する.
・抗核抗体は大半で陽性であり,特徴的な自己抗体は診断のみならず,病型や合併する臓器障害,予後の予測に有用である.抗トポイソメラーゼⅠ抗体(抗Scl-70抗体)陽性例はdcSScに多く,間質性肺炎,指尖潰瘍・壊疽,腎クリーゼを合併しやすい.抗セントロメア抗体陽性例はlcSScに多く,臓器障害は逆流性食道炎など軽症であるが,長期罹病中に肺高血圧症を合併することがある.抗RNAポリメラーゼⅢ抗体陽性例は大半がdcSScであり,腎
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