頻度 あまりみない
GL血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版)
GLANCA関連血管炎診療ガイドライン2023
ニュートピックス
・米国リウマチ学会/欧州リウマチ学会より,顕微鏡的多発血管炎,多発血管炎性肉芽腫症の新しい分類基準が示された.小型~中型血管に血管炎がある患者において,臨床症状,検査結果などをスコア化し,加点/減点して総スコアにて分類する.今後広く用いられるようになると考えられる.
治療のポイント
・寛解導入療法として,副腎皮質ステロイドとともに,臓器病変や治療反応性に応じて,シクロホスファミドやリツキシマブを併用する.
・寛解達成後の維持療法として,ステロイドは可能な限り減量しながら,アザチオプリン,メトトレキサート,リツキシマブの併用を考慮する.
・ステロイド,免疫抑制薬の副作用に中止しながら治療を行う.
・C5a受容体阻害薬であるアバコパンが,顕微鏡的多発血管炎,多発血管炎性肉芽腫症に対して発売された.
◆病態と診断
A病態
・多くの患者で抗好中球細胞質抗体(ANCA:anti-neutrophil cytoplasmic antibody)が陽性となるANCA関連血管炎である.そのうち,顕微鏡的多発血管炎ではミエロペルオキシダーゼ(MPO:myeloperoxidase)に対する自己抗体(MPO-ANCA)が高率に認められる.一方,多発血管炎性肉芽腫症ではプロテイナーゼ3に対する自己抗体〔proteinase 3(PR3)-ANCA〕が認められるが,本邦ではMPO-ANCAが認められることも多い.好中球から放出されるneutrophil extracellular traps(NETs)が血管炎の病態に関与することが報告されている.
・小型~中型の血管炎により,血管の狭窄,閉塞が生じ,支配領域の血流障害により臓器障害を起こす.
・顕微鏡的多発血管炎は,肉芽腫を伴わない壊