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GL認知症疾患診療ガイドライン2017
治療のポイント
・血管性認知症(VaD)に認める脳小血管病変などによる虚血性変化は,アルツハイマー型認知症などほかの認知症疾患にも高率に合併し,病態を促進することも判明していることから,認知症疾患全般において脳血管危険因子のコントロールが重要である.
・VaDに加えてアルツハイマー型認知症の合併が背景病理として想定される場合は,抗アルツハイマー型認知症薬の使用を検討する.
◆病態と診断
A病態
・VaDは各種の脳血管病変に起因する認知機能障害であり,NINDS-AIREN診断基準によると①多発梗塞性認知症,②戦略的な部位の単一病変による認知症,③小血管病性認知症,④低灌流性血管性認知症,⑤出血性血管性認知症,⑥その他の病型に分類され,小血管病性認知症の頻度が高い.
・高血圧,脂質異常症,糖尿病といった脳血管の動脈硬化を生じる危険因子が病因の大きな部分を占める.
・アルツハイマー型認知症やレヴィ小体型認知症といった神経変性疾患においても,脳血管病変との混合病理を有する場合も多い.
B診断
・症候は遂行機能障害や意欲低下などの前頭葉機能障害を中心とすることが多く,さまざまな程度で偽性球麻痺や歩行障害(脳血管性パーキンソニズム)などの運動障害を伴うが,VaDの病型や脳血管病変を生じた部位による症候の差異が大きい.
・病状の進行は,多発梗塞性認知症では脳卒中を起こすたびに階段状の進行を示し,小血管病性認知症では緩徐進行性であるが,戦略的な部位の単一病変による認知症においては単発の脳血管病変により認知症を発症することもある.
・頭部MRI検査またはCT検査において,上記の各病型に応じた特徴的な脳血管病変とその局在および程度が神経症状を説明しうるものであるのか確認が必要である.
・VaDの診断には,認知症が存在し,脳血管障害と認知症発症との間に時間的関連が存
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