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GL脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]
GL脳ドックのガイドライン2019[改訂・第5版]
ニュートピックス
・小型未破裂脳動脈瘤もスクリーニング可能で,リスク因子の生活習慣を改善する意義はある.
・5年累計破裂率が5年累計治療危険性を超える場合,未破裂脳動脈瘤の治療が推奨される.
・未破裂脳動脈瘤の破裂リスクに血行力学的特徴を考慮する.
治療のポイント
・開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術の利点,欠点をよく理解し,これらに加え,放射線科医,脳神経内科医を含めたチームで検討し最適な治療を決定する.
・開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術の優劣は結論が出ていない.
・現時点では,エビデンスのある有効な薬物治療は存在しない.
・血管内コイル塞栓術のほうが術後の再発は多いが,開頭クリッピング術でも再発はないわけではなく,新生動脈瘤のチェックを含めたフォローアップが推奨される.
・治療の有無にかかわらず,生活習慣の改善が推奨される.
◆病態と診断
A病態
・未破裂脳動脈瘤は,慢性炎症に血行力学的負荷が加わった病態である.
・未破裂脳動脈瘤には,発生増大と破裂の2つの病態がある.
・動物実験では,抗炎症性薬物が未破裂脳動脈瘤の破裂を抑制する報告がある.
・破裂リスクは日本では年間0.95%であるが,破裂し,くも膜下出血を併発すると死亡率が約30%の重篤な状態となる.
B診断
・診断は,非侵襲的なMRA(magnetic resonance angiography)が一般的で,その診断精度は約90%である.血管内コイル塞栓術後はMRAで画像フォローする.
・軽度侵襲的検査としてCTA(computed tomography angiography)があり,侵襲的検査としてDSA(digital subtraction angiography)がある.開頭クリッピング術後はCTAで画像フォローす