診療支援
治療

低髄液圧症候群(頭蓋内圧低下症)/脳脊髄液漏出症
low cerebrospinal fluid pressure syndrome(intracranial hypotension)/cerebrospinal fluid leak syndrome
大塚美惠子
(国際医療福祉大学病院教授・予防医学センター/脳神経内科)

頻度 ときどきみる

GL国際頭痛分類 第3版(2018)

GL脳脊髄液漏出症診療指針(2019)

ニュートピックス

・脳脊髄液中の脳型トランスフェリンがspontaneous intracranial hypotension(SIH)では健常者に比して増加するとの報告があり,診断のバイオマーカーとして期待される.

治療のポイント

 保存療法(安静臥床と水分補給)で効果がない場合は,硬膜外自家血注入療法(EBP:epidural blood patch)を考慮する.

◆病態と診断

A病態

・脊髄レベルでの髄膜(硬膜,くも膜)の破綻で一定量以上脳脊髄液が漏出することで脳脊髄液量減少,脳脊髄液圧低下によって,頭痛や種々の臨床症状および画像所見を呈する.

・「国際頭痛分類 第3版」(ICHD-3)ではSIHの素因として硬膜の脆弱性,遺伝性の結合織疾患との関連や低髄液量の可能性も指摘している.

B診断

・代表的な症状は起立

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