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GL神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版 追補版(2022)
治療のポイント
・神経痛,神経障害性疼痛を生じる病態や原疾患はきわめて多彩かつ複雑である.
・原疾患の病態を評価するとともに,疼痛緩和治療を検討する.
・第1選択薬を少量から導入し,副作用に注意し漸増する.
・神経痛の緩和,ADLとQOLの改善が治療の目標となる.
・早期の治療介入により,神経痛に伴う可塑性変化,悪循環化,難治化を抑制する.
◆病態と診断
A病態
・神経痛,神経障害性疼痛は,末梢神経障害や中枢神経障害を生じるさまざまな疾患群や各種の発生機構により生じる.難治である場合が多い.
・三叉神経痛,舌咽神経痛,後頭神経痛,頸椎症,手根管症候群,肋間神経痛,腰部脊柱管狭窄症,坐骨神経痛など,おのおのの病態に特徴的な症候を生じる.
・帯状疱疹後,糖尿病性神経障害,アルコール性末梢神経障害,血管炎やアミロイドーシスなどに伴うポリニューロパチー,神経痛性筋萎縮症,腫瘍の浸潤などによる神経障害,化学療法などに伴う薬剤性末梢神経障害,外傷後末梢神経障害など,各種の病態を基盤とした神経痛,神経障害性疼痛がある.
・神経痛により感覚神経系の可塑性変化が生じ,痛覚過敏や自発痛を生じる.慢性化することで疼痛に伴う情動変化などが生じ,これにより痛みが増強する悪循環が発生する.
B診断
・上記の各病態に応じた病歴,神経所見,検査所見を基に確定診断を行う.
・神経痛の範囲が神経解剖学的に妥当であるか,体性感覚神経系の病変あるいは病態を示唆する病歴があるか評価する.
・障害神経の解剖学的支配に一致した領域に観察される感覚障害の神経所見があるか,神経障害性疼痛を生じる神経病変や疾患があるか各種の検査で評価する.
・神経障害性疼痛の可能性を評価するスクリーニング法として「神経障害性疼痛スクリーニング質問票」や「painDETECT日本語版」などの