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GL前立腺癌診療ガイドライン2016年版
治療のポイント
・限局癌はリスク分類に応じて監視療法,手術療法,放射線療法が選択される.
・転移癌には初期治療として,去勢単独療法と新規アンドロゲン受容体標的薬または化学療法の併用療法が標準治療となった.
・ホルモン療法の効果がなくなった状態を去勢抵抗性前立腺癌(CRPC:castration-resistant prostate cancer)とよぶ.
◆病態と診断
A病態
・2019年の男性癌の部位別罹患数では1位である.
・腫瘍マーカーPSA(prostate specific antigen)の普及により,多くは診断時無症状である.
・PSA検診の有効性は報告されているが,過剰診断,過剰医療のリスクもあるため,利益と不利益を説明する必要がある.
B診断
・PSAや直腸診,MRIで前立腺癌が疑われた場合は,針生検で確定診断を行う.
・病期診断にはCTおよび骨シンチグラムが使用される.
◆治療方針
限局癌はPSA値,Tステージ,病理学的悪性度によるリスク分類を行い治療方針を立てる.転移癌にはホルモン療法を中心とした全身治療が用いられる.ホルモン療法導入後数年でCRPCとなる.
A非転移性前立腺癌
手術,放射線療法が主な選択肢であるが,近年では過剰医療を避けるため,低リスク癌に対しては監視療法が主に用いられている.
1.手術療法
一般的に期待余命10年以上の低~中間リスク癌,5年以上の高リスク癌が対象となる.主な合併症は失禁と性機能障害である.
2.放射線治療
外照射と内照射がある.主な合併症として,血尿,排尿障害,直腸出血,下痢がある.高リスク癌にはホルモン療法が併用される.
3.監視療法
高齢者や低リスク癌が対象となる.
B転移性去勢感受性前立腺癌
ホルモン療法を中心とした全身治療が用いられる.近年去勢単独療法と新規アンドロゲン受容体標的薬または化
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