診療支援
治療

限局性強皮症
localized scleroderma
浅野善英
(東北大学大学院教授・皮膚科学)

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GL限局性強皮症診断基準・重症度分類・診療ガイドライン(2016)

治療のポイント

・活動性の皮膚病変は局所療法・全身療法による治療を行い,非活動性の皮膚病変は機能障害や整容的問題に対して理学療法や外科的治療を考慮する.

◆病態と診断

A病態

・本症の主要な病態は,限局した領域の皮膚およびその下床の組織の傷害と,それに続発する線維化である.

・体細胞モザイクが自己免疫の対象となって組織傷害が生じると考えられており,免疫の賦活化(外傷,ワクチン接種など)が誘因となる場合がある.

B診断

・①境界明瞭な皮膚硬化局面がある,②病理組織学的に真皮の膠原線維の膨化・増生がある,③全身性強皮症,好酸球性筋膜炎,硬化性萎縮性苔癬,ケロイド,(肥厚性)瘢痕,硬化性脂肪織炎を除外できる(ただし,合併している場合を除く),の3項目をすべて満たす場合に本症と診断する(ガイドラインより抜粋).

・①circumscribed morphea(斑状強皮症),②linear scleroderma(線状強皮症),③generalized morphea(汎発型限局性強皮症),④pansclerotic morphea,⑤mixed morpheaの5つの病型に分類される.

・circumscribed morpheaでは,通常は1~数個の境界明瞭な局面が躯幹・四肢に散在性に生じる.

・linear sclerodermaでは,ブラシュコ線に沿って線状あるいは帯状の硬化局面を呈し,しばしば下床の筋肉や骨にも病変が及ぶ.剣創状強皮症は前額部から頭部のブラシュコ線に沿って生じた亜型で,瘢痕性脱毛を伴う.

・generalized morpheaでは,これらのすべてのタイプの皮疹が全身に多発する.

・pansclerotic morpheaでは,躯幹・四肢に皮膚硬化が出現し,進行性に頭頸部も含めた全身の皮膚が侵され,

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