診療支援
治療

皮膚悪性リンパ腫
cutaneous lymphoma
島内隆寿
(浜松医科大学病院准教授・皮膚科学)

頻度 あまりみない

GL皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版(2022)

GL皮膚悪性腫瘍ガイドライン第3版 皮膚リンパ腫診療ガイドライン2020

ニュートピックス

・2021年5月よりデニロイキンジフチトクスが再発または難治性の皮膚T細胞性リンパ腫に対して承認され,進行期症例に対する治療選択肢が増えた.

治療のポイント

・紅斑・局面が主体の早期菌状息肉症では,ステロイド外用,紫外線療法を選択する.

・治療抵抗性の早期菌状息肉症や進行期の菌状息肉症/セザリー症候群に対しては,各種抗腫瘍薬を用いた全身療法を患者の状態に応じて選択する.

・進行期に対する同種造血幹細胞移植の適応については,血液内科と慎重に検討したうえで実施する.

◆病態と診断

・皮膚悪性リンパ腫は皮膚を原発とする節外性リンパ腫であり,T/NK細胞リンパ腫,B細胞リンパ腫に大別される.本項ではその代表的疾患である菌状息肉症とセザリー症候群について述べる.

A病態

・古典的な菌状息肉症は数~10数年という長い経過で,紅斑・浸潤局面を主体とする紅斑期,扁平浸潤期から腫瘤,紅皮症,白血化といった症状を示す進行期(腫瘤期)へと移行する.

・セザリー症候群は当初より紅皮症,リンパ節腫大,白血化で発症する.

・上述の両疾患は経過中に移行することがある.

B診断

・病変部皮膚生検で表皮向性やポートリエ微小膿瘍を示すリンパ腫細胞を確認する.また一般に免疫染色ではリンパ腫細胞のCD3陽性,CD4陽性,CD7減弱が認められる.さらにT細胞受容体遺伝子再構成バンドを確認する.

・末梢血検査(目視法)で白血球数増多,リンパ腫細胞出現がある場合はフローサイトメトリー解析で,CD4/CD8比やCD4陽性CD7陰性T細胞,CD4陽性CD26陰性T細胞の割合,T細胞受容体遺伝子再構成を解析する.血清LDH,可溶性IL-2レセプターは病勢を反映する.

・抗HTLV-1抗体陰性の確認は

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