治療のポイント
・年齢,体重,病態によって体重あたりの適正な投与量および組成が異なる.
・乳幼児ではキットの高カロリー輸液製剤は推奨されない.
・新生児・乳児では小児用総合アミノ酸輸液を用いる.
・ビタミン,電解質の1日必要量を投与する.
A適応
経口摂取,経腸栄養が困難な場合,もしくは不十分と判断された場合には中心静脈栄養の適応となる.未熟児,新生児は容易に栄養障害に陥りやすいため,すみやかに中心静脈栄養を導入する.
B適応となる病態
新生児壊死性腸炎,消化管穿孔,腹膜炎,腸閉塞,重症の腸炎・下痢など,経腸栄養を行うことが悪化させる病態が数日にわたって継続することが予想される場合や,癌の化学療法に伴い経口摂取,経腸栄養が困難な状況が継続する場合.腸管不全症例(短腸症候群,ヒルシュスプルング病類縁疾患など),その他,長期間にわたり経口摂取,経腸栄養が不十分なすべての病態で適応となる.
C治療方針
まず中心静脈カテーテル(CVC:central venous catheter)を挿入する.未熟児,新生児では細径での末梢挿入式カテーテル(PICC:peripherally inserted central venous catheter)が用いられる.乳幼児期以降では体格や目的によって穿刺,静脈切開によりCVCを留置する.多くの場合は深鎮静や全身麻酔を要する.腸管不全,進行癌など長期の投与が予測される場合には,カフ付きの長期留置型カテーテル(Broviac,Hickmanカテーテル)を用いる.CVポートは乳幼児には適さない.
投与熱量,投与アミノ酸量を年齢,体重により決定し,糖・電解質輸液にビタミン製剤,微量元素製剤,脂肪乳剤を投与する.小児,特に新生児・乳児では投与すべきアミノ酸組成,適正な非蛋白熱量窒素比(NPC/N),ビタミンと微量元素の1日必要量が成人とは異なるため,個別に無菌的に調