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GL小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022
ニュートピックス
・新型コロナウイルスも急性呼吸器感染症を起こす病原微生物として認識された.
・Multiplex PCRの普及に伴い,呼吸器感染症の原因微生物の疫学が明らかになってきた.
治療のポイント
・小児(特に低年齢)の急性気道感染症の原因の多くはウイルス性であり,対症療法を中心に行う.
・インフルエンザなど一部のウイルスに対しては,抗ウイルス薬の使用が考慮される.
・細菌性の関与が疑われ抗菌薬を使用する際には,原因微生物の想定・同定が重要である.
◆病態と診断
A病態
・通常上気道炎に始まり,その炎症が下気道に進展し,気管支に病変の首座がある場合に気管支炎,気管と気管支に病変の首座がある場合に気管気管支炎とよばれるが,臨床的にその鑑別を行うことは困難である.
・原因のほとんどは感染症で,その原因微生物の多くはウイルスであり,RSウイルス,インフルエンザウイルス,パラインフルエンザウイルス,ヒトメタニューモウイルス,ライノウイルス,季節性コロナウイルス,新型コロナウイルス,アデノウイルスなど多岐にわたる.
・ウイルス性以外では,マイコプラズマ,クラミジア,百日咳などがある.肺炎と異なり,本疾患における一般細菌(肺炎球菌やインフルエンザ桿菌)の関与の頻度・程度に関しては不明な点が多い.
B診断
・咳嗽が主症状であり,発熱,喀痰を伴うこともある.胸部身体所見では副雑音が聴取されることもあるが,胸部X線では通常明確な浸潤影を呈さない.
・年齢,家族内や学校などでのシックコンタクト,予防接種歴なども原因微生物推定の参考になる.
・迅速抗原検査やLAMP法に加えて,multiplex法も含めたPCRなどが微生物学的診断に有用である.
・鑑別診断として,急性細気管支炎・肺炎,鼻副鼻腔炎,喘息発作,気道異物などが挙げられる.
◆治療方針
A対症療法
ウイルス