頻度 (減少傾向にある)
GLベーチェット病診療ガイドライン2020
GLBehçet病(ベーチェット病)眼病変診療ガイドライン(2012)
治療のポイント
・眼発作期の治療と寛解期の治療に分けられ,眼発作は頻発することがある.
・眼発作期にはステロイドの眼周囲注射,内服,点滴静注などの消炎治療が行われる.
・寛解期にはコルヒチン内服,シクロスポリン内服,TNF阻害薬による発作抑制の治療が継続的に行われる.
◆病態と診断
A病態
・再発性口腔内アフタ性潰瘍,皮膚症状,ぶどう膜炎,外陰部潰瘍を4主症状とする全身性炎症性疾患である.
・日本,韓国,中国,トルコなどの中近東および地中海沿岸諸国によくみられることからシルクロード病ともいわれる.
・HLA-A26,B51などの遺伝的素因(内因),生活環境,口腔内細菌叢など環境因子(外因)が発症,病態形成に関与すると考えられている.
・発症年齢は20~30歳代と比較的若く,眼症状は男性に多くみられる.
B診断
・「厚生労働省ベーチェット病診断基準」に基づき,特徴的な眼症状,眼外症状の有無から診断される.
・眼症状の特徴は「眼炎症発作」とよばれる急性ぶどう膜炎と寛解を繰り返すことである.眼炎症発作では,前房蓄膿を伴う虹彩毛様体炎や眼底に滲出斑,出血を伴う網脈絡膜炎がみられ,特に網脈絡膜炎を繰り返すことで網脈絡膜萎縮,網膜血管白線化,視神経萎縮が進行し,恒久的な視機能障害に至る.また,併発白内障,続発緑内障などの合併もみられる.
◆治療方針
眼炎症発作期に迅速に炎症を沈静化させる消炎治療(発作期治療)と,眼炎症発作を予防する発作抑制治療(寛解期治療)に分けられる.
A消炎治療(発作期治療)
1.前眼部炎症(虹彩毛様体炎)に対する治療
ステロイドの局所投与による消炎治療と,虹彩後癒着予防のため散瞳薬による治療を行う.
a.軽度の炎症
点眼治療を行う.
Px処方例 下記を併用する.
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