A.蜂窩織炎と丹毒
1.蜂窩織炎
皮下組織にまで及ぶ“比較的深い”皮膚・軟部組織の感染症である.そのため,丹毒に比べると,境界は不明瞭であり,周囲と区別できる非連続的な隆起はみられない.侵入門戸となる肉眼的な皮膚病変が観察できることが多く,丹毒と比べて進展が緩徐で,日単位で病変が進行し,完成する.侵入門戸と蜂窩織炎の存在する部位が連続的であるとは限らない.原因菌はS.aureusが最も多い.ただし,S.pyogenes(A群β溶連菌),G群,C群,B群溶連菌の場合や両者同時感染の場合もある.免疫能が低下した患者では腸内細菌や緑膿菌,クリプトコッカスや抗酸菌も起炎菌になりうる.
市中獲得型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(CA-MRSA:community-acquired MRSA)は病院獲得型MRSA(HA-MRSA:hospital-acquired MRSA)でみられるような危険因子(近い
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