診療支援
診断

4 急性糸球体腎炎・急速進行性糸球体腎炎

急性糸球体腎炎の診断

A群連鎖球菌性咽頭炎の1-3週間後に発症するものが多いため小児に多いが成人でもありうる.

糸球体障害のため乏尿,浮腫,高血圧を高頻度に認める.

蛋白尿も血尿も高頻度で見られる.特に有棘赤血球・赤血球円柱や,1.5-2.0g/日以上の蛋白尿があれば糸球体腎炎の根拠となる.

感染症後糸球体腎炎

▶A群連鎖球菌の咽頭炎の平均10日後,膿痂疹では平均2週間後に発症する.

▶咽頭培養は40-50%で陽性で,ASLOの感度が比較的高い(咽頭感染の場合90%,軟部組織感染で80%程度).

▶頻度は低いが連鎖球菌以外にもブドウ球菌,肺炎球菌,Klebsiella,髄膜炎球菌,梅毒,MycoplasmaChlamydophila,ウイルス(風疹,麻疹,ムンプス,エコー,CMV,EBV)といった感染症の後でも急性糸球体腎炎を来す.

▶IgA腎症でも急性上気道炎・胃腸炎に遅れて血尿を呈しうるが,感染後5日以内の血尿出現が多いことと,今までに同様な既往があることで鑑別される.


検査所見

▶無症候性が症候性より4-10倍多いと考えられているため,実際の頻度は定かではないがCr≧2mg/dL(25%)よりも,数日間続く乏尿(50%)や,眼瞼〜上肢に強い浮腫(50%),高血圧(75%)が目立つとされる.

▶腎生検によって確認された糸球体腎炎47例と,尿細管障害3例・間質性腎炎24例・血管障害3例との比較

▶感染症後糸球体腎炎では1/3の症例で肉眼的血尿が見られるが,6-12か月後には顕微鏡的血尿も消失する.

▶蛋白尿は500-3,000mg/日であることが多いが,ネフローゼとなることもある.1か月程度で消失することが多いが数年間持続することもある.

急性糸球体腎炎の鑑別

感染症後糸球体腎炎は基本的には一過性の経過であり特に小児では予後がよいが,積極的な治療を急ぐ急速進行性糸球体腎炎と,長期予後が

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?