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インフルエンザ

毎年1-2月の流行期に38℃以上の発熱と咳を認めれば大半はインフルエンザである.

特に発症数日以内にインフルエンザ感染者と接触歴がある場合はインフルエンザの可能性が高い.

ワクチン接種は発症予防・重症化抑制には効果が期待できるが,ワクチン接種歴があってもインフルエンザの否定はできず,非典型的な軽症発症にも注意を要する.

流行歴は最も重要な臨床情報であり,流行時期に発熱>38.0℃と咳を認めればPPV=86.8%,NPV=39.3%でインフルエンザであるとの報告や〔Clin Infect Dis. 2000 Nov; 31(5): 1166-9〕,流行時期に突然の高熱で咳を伴えばPPV=79-85%,発熱>38.0℃と咳に筋肉痛を伴えばPPV=79%でインフルエンザであるとの報告がある〔Arch Intern Med. 2000 Nov 27; 160(21): 3243-7〕.

家族の発症後36時間以内に予防を開始した場合,感染拡大はコントロール群の12(7-18)%から手洗い群では5(1-11)%,マスクも装着すれば4(1-7)%に減らすことができる〔Ann Intern Med. 2009 Oct 6; 151(7): 437-46〕.


ワクチン接種

▶ワクチン株が流行株に一致していれば70-90%の予防率となるが,一致していない年は0-50%の予防率のみ〔N Engl J Med. 2008 Dec 11; 359(24): 2579-85〕であり,年度ごとの予防効果の差は大きい.

▶高齢者に対してのワクチン接種のメタ解析によると,RCTにてインフルエンザ様症状を50%以上減少させることが証明されており,症例対照研究では肺炎による入院を32-45%,呼吸器疾患による入院死亡率を43-50%,全死亡率を27-30%減少させることが示唆されている〔Ann In

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