診療支援
診断

2 椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症

腰椎椎間板ヘルニア

人口の1%程度が罹患する病気で,壮年期男性に多い.

L4/L5やL5/S1に発生することがほとんどである.

人口の1%程度が腰椎椎間板ヘルニアに罹患する〔Spine(Phila Pa 1976). 1996 Dec 15; 21(24 Suppl): 45S-56S〕.


腰椎椎間板ヘルニア患者の特徴

腰椎椎間板ヘルニアの病歴

下肢に放散する痛みが重要で,下肢痛は腰痛より強くデルマトームに沿った痛みであることが多い.

膀胱直腸障害・会陰部感覚障害があれば専門家に迅速なコンサルトを要する.

腰椎ヘルニアの診断

▶痛みが膝より下まで放散していれば,大腿後面に放散するだけのものに比べて,神経根障害である確率が高いとされる.

馬尾障害があれば48時間以内に手術が望ましい〔Spine(Phila Pa 1976). 2000 Jun 15; 25(12): 1515-22〕.

腰椎椎間板ヘルニアの身体所見

SLR試験が陰性ならば腰椎椎間板ヘルニアの可能性は下がる.

SLR試験が30°で陽性となったり,対側SLR試験が陽性ならば腰椎椎間板ヘルニアに特徴的である.

神経根の障害部位の推定と重症度を評価するため,L4-S1の運動・感覚・深部腱反射を確認する.

SLR試験(straight-leg-raising test)

▶仰臥位の患者の一側下肢を伸展したまま持ち上げ股関節を受動的に60°まで屈曲させるときに,殿部や大腿後面に疼痛を訴えれば陽性とする.30°で陽性となったり,健側の挙上で患側に疼痛を誘発(対側SLR試験)すれば腰椎椎間板ヘルニアに特徴的である.

▶SLR試験による60-80°の下肢挙上で,L4以下は2-6mm,L5以下は最大7mm下方へ神経が移動するが,L3は影響がない〔J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1965 Feb; 28:

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