診療支援
診断

1 急性腹症

急性腹症の鑑別

腹痛を来す疾患は多いため,上部消化管(消化性潰瘍や穿孔),小腸(腸閉塞),結腸(憩室炎),虫垂(虫垂炎),胆道(胆石症),膵臓(急性膵炎),尿路(尿管結石症),生殖器(異所性妊娠破裂,精巣捻転)など臓器別に鑑別を想起するとよい.

中高年者では血管系疾患〔心筋梗塞,腹部大動脈瘤破裂,上腸間膜動脈(SMA)塞栓症〕と悪性腫瘍を忘れてはならない.一方,高齢者では尿管結石症は比較的少なく,産婦人科疾患は稀である.

急性腹症の原因疾患

男性の急性腹症の原因(入院となった5,268例)

女性の急性腹症の原因(入院となった6,941例)


腹部疾患以外で腹痛を呈する疾患

胸部疾患(心筋梗塞,胸椎椎体骨折)

全身性疾患としては糖尿病性ケトアシドーシス,急性間欠性ポルフィリン症,重金属中毒(鉛疝痛),麻薬離脱症状,家族性地中海熱,副腎不全が鑑別に挙がる.

麻薬の離脱症候群では興奮(96%

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