診療支援
診断

1 肝疾患の診察

肝臓の身体所見

肝疾患スクリーニングとしての肝臓自体の診察は価値が限られるが,触診で心窩部に肝臓が触れなければ肝硬変の可能性は低くなる.

肝臓を触れた場合は肝臓の性状(硬さ・辺縁が整か不整か・エッジが鋭や鈍か)を確認し,打診にて肝縦径が鎖骨中線上で12cm以上あるかどうかチェックする.

肝臓の診察

解剖学的には鎖骨中線で肋骨下5cmまで肝臓があり,2横指程度は触れることはよくあるので,肝臓を触れた場合には打診で上縁の位置を推定して縦径を評価し本当に肝腫大があるかどうかを確認する.特にCOPD患者では肝臓が尾側に偏移するため触知されやすいが,右心不全がなければ肝腫大はみられない.


健常者の鎖骨中線上の肝縦径


画像所見では右鎖骨中線上で頭尾に16cm,大動脈上で頭尾に11cmか腹背に7cmあれば肝腫大があることの目安となる.


肝硬変における肝臓以外の身体所見

門脈圧亢進に伴う脾腫・腹水・下腿

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