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11 肝膿瘍

化膿性肝膿瘍の原因・起因菌

経胆道感染が半数以上を占め,起因菌も胆道感染と同様である(☞C-12「胆石症・胆道感染症」の「胆道感染の起因菌」参照).

原因不明の化膿性肝膿瘍では,大腸癌などの消化管疾患(経門脈性)の可能性を考えるべきである.

経肝動脈性(肝細胞癌に対する塞栓術後を含む)ではグラム陽性球菌が多い.

Klebsiella pneumoniaeによる肝膿瘍は糖尿病患者に多く,血行性散布しやすいため眼内炎などを高頻度に起こす.

化膿性肝膿瘍の原因(n=230)

特発性化膿性肝膿瘍患者に大腸内視鏡検査を行うと大腸癌が7.9(5.0-12.1)%で見つかるが,対照群では1.2(0.3-5.7)%のみである〔Dig Liver Dis. 2019 Dec;51(12):1641-5. PMID:31601537(メタ解析)〕.


化膿性肝膿瘍の起因菌(n=6,913,中国)

アジア

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