総論
◉国内ではツツガムシ病と日本紅斑熱が多く,重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が続く.
◉前二者はテトラサイクリン系抗菌薬が有用であり早期診断の価値が高い.一方,SFTSはウイルス感染症であり対症療法が中心となる.
●ダニなどにより媒介される感染症の国内発症数(2013-2020年,n=6,484)図
▶いずれも4類感染症であり,直ちに届け出が必要な疾患である.
ツツガムシ病と日本紅斑熱
◉発熱,皮疹,刺し口を三徴とした疾患であるが,進行すると多臓器不全を呈しうる重大な疾患である.
◉ツツガムシ病は北海道を除く全国で認められるが,日本紅斑熱は西日本に多い.
◉ツツガムシ病は春と秋~初冬,日本紅斑熱は春~秋に多い.
◉上記の地域・季節において野外活動歴があれば,可能性が高くなる.
◉刺し口は皮膚の軟らかい腹部・腋窩・陰部などに認めやすいため,脱衣させて診察するべきである.
●ツツガムシ病と日本紅斑熱の報告数