【概説】パッチテストは,アレルギー性接触皮膚炎の原因検索において必要不可欠な検査法である.スクリーニング用メニューであるジャパニーズベースラインシリーズ(JBS)2015を,患者が持参した製品とともに貼付すると,予期しなかった原因が明らかになることがあり有用である.
検査の進め方
皮疹の部位や症状の経過,日光曝露や職業歴などの問診よりアレルギー性接触皮膚炎が疑われた場合にパッチテストを行う.
1.スクリーニング用メニュー
日本接触皮膚炎学会(現 日本皮膚免疫アレルギー学会)が至適濃度や基剤を決定した,日本人がかぶれやすいアレルゲンを揃えたJBS2015がある(http://jscia.org/jpn_std_allergen2015.html)(表2-8)図図.本シリーズには,金属,油脂,抗菌薬,局所麻酔薬(外用薬),香料,樹脂,防腐剤,ゴム硬化剤,ゴム老化防止剤(ゴム製品),染料(毛染め),水銀化合物(ワクチン),植物(ウルシ)などわれわれが日常的に接触するさまざまな物質が含まれている.そのため,スクリーニング用メニューとして貼付することにより患者自身も予想していなかったアレルゲンが明らかになることがあり,このシリーズを患者が持参した製品とともに貼付することが勧められる.本シリーズは,ready-to-use製品であるパッチテストパネル(S)(佐藤製薬)が主体となっており,以前に比べると格段に貼付しやすくなっている.①パッチテストユニットの準備:パッチテストパネル(S)はそのまま貼付するが,試薬を用いる場合はあらかじめ被検物質をパッチテストユニットにのせておく.軟膏はそのままFinn Chamber(8mm径)(SmartPractice社)に20mgのせる.水溶液の場合は,付属のろ紙を白色ワセリンでChamberに固定し,その上に15μL滴下する.②貼付方法:通常,背部(傍
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