診療支援
治療

脂漏性皮膚炎
Seborrheic dermatitis
加藤 則人
(京都府立医科大学教授)

病態

 額や鼻唇溝,被髪頭部,胸骨部,腋窩などの脂漏部位に鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑が出現し,慢性に経過する疾患.新生児期から乳児期早期にみられる乳児期脂漏性皮膚炎と,思春期以降に生じる成人期脂漏性皮膚炎に分けられる.

【頻度】皮膚科外来患者の3~4%を占める.

【病因・発症機序】皮脂の分泌が盛んな時期に脂漏部位に生じ,本症患者の病巣部から好脂性酵母であるマラセチア(Malassezia furfur)が検出される頻度が健常人に比べて高いこと,抗真菌外用薬が本症に奏効することなどから,マラセチアが本症の発症に関与していると考えられる.またビタミンB群の欠乏に伴うものや,糖尿病,高血圧症などに伴うものも報告されている.


診断

【鑑別診断で想起すべき疾患】尋常性乾癬,接触皮膚炎,アトピー性皮膚炎,白癬菌やカンジダによる皮膚真菌症,酒皶様皮膚炎などが,主に鑑別すべき疾患である.乳児期にみられ難治な場合には,

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