病態
先行する気管支喘息と好酸球が関与する血管炎である.最も多い症状が神経症状で,四肢の多発性単神経炎を高率に認める.血管炎の国際会議でChurg-Strauss症候群から好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)へ病名が変更となった.
【頻度】やや女性に多く,平均発症年齢は30~60歳.欧米に少なく,日本人に多い.
【病因・発症機序】ANCA関連血管炎であり,ANCAサイトカインシークエンス理論といわれる免疫複合体が関与しない,ANCAを中心としたメカニズムが知られる.しかし,ANCA陰性も半数でみられ,好酸球の存在もあり,疾患特異的なメカニズムがあると推測されている.最近,eosinophil extra cellular traps(EETs)の関与が指摘されている.
【特に注意すべき臨床症状】①最も多い症状が神経症状で,ほぼ必発ともいわれる.なかでも多発性単神経炎を高率に認める.上肢よりも下肢が多く,よく侵されるのは腓骨神経である.知覚障害,運動障害いずれもみられる.病初期の知覚障害(しびれ,痛みなどで,歩行時に違和感があり,歩行困難も生じる)から始まり,運動障害を併発してくる.最後は麻痺に至り,しかも進行性である.②次いで多い症状が,皮膚症状(40~80%)である.皮疹は多彩であるが,palpable purpuraを含めた紫斑が最も多い.下肢での“しびれや疼痛を伴う紫斑”は,皮膚科医としてまず,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症を意識すべき臨床症状といえる.さらに丘疹や小結節,紅斑,網状皮斑(リベド),ほかに血疱や潰瘍,蕁麻疹の混在もある.③また,頻度は低いが特異度の高いWinkelmann granulomaが知られている.膝頭や肘頭などに小結節を形成した皮疹で,リウマチ結節と類似する臨床像と位置づけられている.④肺浸潤は一過性で間質性肺炎はまれである.心症状は重篤な症状の
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