病態
主として,幼小児の日光曝露部に,臍窩を伴う小水疱を形成し,やがて痂皮,浅い瘢痕となる再発性光線過敏性疾患で,多くは成人期までには自然治癒する(古典型).一方,東南アジアと中南米では,顔面の小水疱や腫脹に加え,壊死性病変を伴う予後不良の病型(全身型)がみられる.後者は,成人・高齢者発症例がある.ともに,EBウイルス(EBV)感染T細胞が皮膚病変部および末梢血に認められ,両病型を包括して種痘様水疱症様リンパ増殖異常症と称される.
診断
紫外線曝露後に,頰部,前額部,手背,耳介にヘルペス型小水疱,結膜充血,口唇や歯肉のアフタ性口内炎などがみられる.古典型種痘様水疱症は,全身症状や一般血液検査では異常はないが,末梢血にはEBV感染γδT細胞が増数(リンパ球の≧5%)しており,全血あるいはリンパ球分画のEBV DNA量が増加している.
全身型種痘様水疱症には,小児のほかにも成人・高齢者発症があり,臨床症状が重症で,発熱,リンパ節腫大,肝障害などを伴い,血液ではEBV感染γδT細胞あるいはαβT細胞増数とEBV DNA量増加が認められる.両病型とも,皮膚病変部にはEBER陽性細胞浸潤が十数%認められる.
EBV感染NK細胞増多症を伴う場合には,重症蚊刺アレルギーを合併することがあり,種痘様水疱症と重症蚊刺アレルギーは,「皮膚」慢性活動性EBV病・感染症(CAEBV)と包括されることがある.CAEBVと類縁疾患に関する厚生労働省研究班により,各病型の診断基準が示されている(https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0252/G0000911).
治療
古典型種痘様水疱症に対しては積極的な全身療法は必要ではないが,全身型ではCAEBV治療に準じて,造血系幹細胞移植を考慮する必要がある.
古典型には遮光とステロイド外用(キンダベート軟膏,1日2回)などの対症
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